「メフィスト」に挑んでいた2月

 2025年も早いもので、もう2ヶ月が過ぎてしまいました。

 新年度が目前ということで、ついに僕も本業への復帰の話などが出始めているのですが、そんななか、2月は恒例の小説新人賞「メフィスト賞」に応募する作品を、全力で書き上げておりました。

 最初こそ、なかなか余裕を持って取り組んでいたはずだったんですが、ふたを開けてみると結局、締め切りぎりぎりまで加筆・修正を加えていた状況で、投稿を終えて数日経った今もなお、執筆のダメージが肉体に残った状態だったりします。

 無事、投稿し終えたから良かったのですが、2025年最初の挑戦について、腰を据えて振り返ってみようと思います。

過去作を生まれ変わらせた、新たな「メフィスト賞」投稿作品

 これまで投稿してきた作品は、いずれも「メフィスト賞」に向けて構想を練り、0から構築した作品ばかりだったのですが、2025年2月に投稿したものはこれまでと少し異なった経緯の一作となりました。

 というのも、今回、大昔に書き上げた長編作品をベースに、それを新人賞向けに改修することにしたのです。

 いわば、自身の作品をリメイクするという新たな試みだったのですが、ベースにした作品は僕が初めて書き上げた長編のミステリー物で、世間にコロナが流行り始めた時期に、巣ごもりをしながら作り上げたものでした。

 それゆえ、作品の中にもコロナ禍の時の社会、世間といったものを反映した場面が登場し、久々に自身の作品を読み返し、懐かしいなぁとすら思ってしまった次第。

 すでにある作品をリメイクするということから、いくつか手間暇は省くことができたものの、実際に数年前の作品を読んでみると、まぁ、至らない部分が実に多く、結局は大筋の流れを残し、ほぼほぼが書き直しになってしまいました。

 特に、つい最近になって頭を悩ませるようになった視点という観点は、当時の僕はまるで考慮していなかったため、全体を通して特に重点的に修正が必要となったのです。

家庭のあれこれで、ずれていくスケジュール

 執筆自体は2月に入ってから本格的に取り組みましたが、ここでまたしても想定外――いや、実際は想定できていたはずの色々な問題点が、不意に僕の執筆を阻むことに。

 というのも、2025年4月に我々家族は“引っ越し”を予定しているため、現在の家のこと、次の家のこと、引っ越しの準備等々……とにかく、2月に入ってからは毎週のように何かしらの打ち合わせが入り、執筆時間を思ったようにとることができなかったのです。

 加えて、やはり子供が二人いることから不意な病気も家庭内で流行してしまい、僕自身も風邪をもらってしまうなど、体調が万全ではないという場面も多々ありました。

 そんな中、数行でも、1文字でも多く……という形で、とにかくコツコツと書き上げ、どうにかこうにか締切日に提出が間に合ったという状況。

 最初、スケジューリングをきっかりやっていたはずが、やはりまだまだその精度が甘く、依然同様にギリギリになって体力・気力を削ることになってしまいました。

過去と今を比べて、思うこと

 紆余曲折はありましたが、どうにか提出までこぎつけることができた、今回の「メフィスト賞」。

 提出できたことに一安心するのはもちろん、過去の作品と今回書き上げた現在の作品を見比べ、少なからず自分自身が物書きとして“成長”しているのだな、ということを痛感できたのは、大きな発見でした。

 前述の視点の考え方はもちろん、当時の僕は物語の緩急や登場人物の心理描写、伏線の張り方、文章の読みやすさなど、あまりにも考慮ができておらず、本当に「好きなように書いた」作品にしかなっていなかったのです。

 あれから数年ですが、改めて自分自身を俯瞰して見ることができるようになっただけでも、自分が以前とは違う場所に立っている、ということを実感できました。

 僕としてはただ、毎日がむしゃらに創作の道を転がり続けてきただけなのですが、それでもその日々の中で積み重ねたものは、しっかりとこの肉体に宿っている。

 新しく書き上げた一作を前に、過去と今の確固たる“差”が、ほんのわずかですが自信になったような気がしたのです。

 受賞できるかどうか、面白いのかどうかはまた別の話ですが、それでも今回、非常に得るものが大きかった「メフィスト賞」への挑戦となりました。

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